AIO対策だけでアクセスが自動的に増えることはありません。AI Overviewの普及でクリック率は日本でも平均36〜40%前後落ちており、「アクセス数を守る」のではなく「減ったアクセスでどれだけCVを取り切るか」という発想に切り替えたサイトほど、結果的に売上を維持・伸長できています。
まず、冷静に数字から現状を押さえます。Ahrefsの調査によると、Googleの「AIによる概要(AI Overviews)」が表示されるクエリでは、検索1位のクリック率がグローバルで7.3%から1.6%に下がり、約58%減、日本市場でも5.8%から1.8%へと約37.8%減っていると報告されています。
別の調査では、AI Overviewが表示される検索全体で、オーガニック検索のクリック率が約58〜61%減少したというデータも出ており、単純に「1位を取ればアクセスが増える」時代ではなくなっています。正直なところ、この数字だけを見ると、胃がギュッとしますよね。
実は、「ゼロクリック検索」の比率自体も増え続けています。SparkToroの調査やnote×ヴァリューズの共同調査では、検索全体の約60〜64%が、結果画面だけで完結するゼロクリックに該当するとされ、AI Overviewの本格導入後はさらにその傾向が強まっていると分析されています。
ここで、僕が支援しているBtoBサービス(月額単価は10〜30万円レンジ)の実例を紹介します。GoogleのAIモードが本格的に出始めた2025年後半から、メインKWでの検索順位は維持しているのに、オーガニックセッションが3か月で約30%落ちました。Analyticsのグラフだけを見ると、正直「終わった…」と喉が乾いたのを覚えています。
ところが、同じ期間に資料請求とデモ申込の合計は約20%増えていました。営業チームに「最近問い合わせの質どうですか?」と聞くと、「前より温度が高い人が多いですね。AIである程度比較してから来てる感じがします」という声が返ってきたんです。
振り返ってみると、やっていたのは次の3つだけでした。
アクセスは減ったけれど、「AI+記事」で意思決定を進めた濃いリードが増え、営業単価と成約率がわずかに上がった結果、MQL数・売上ベースではむしろプラスに振れた、というのがこのケースのオチです。
「アクセスが減った=負け」という感覚が染みついていると、AI Overview時代の集客戦略は設計を誤りやすくなります。Google AIモードの解説記事でも指摘されているように、AI回答が検索画面の上部に表示されることで、そもそもユーザーがWebサイトに来ないケースが増えているからです。
よくあるのが、PVの減少に焦って、
といった施策に走ってしまうパターンです。ケースによりますが、これは長期的に見ると「AIにもユーザーにも嫌われる」選択肢になります。
僕が現場で見てきた中で、うまくいったパターンは逆で、
という二段構えでした。
次に、地方の外壁塗装会社さんのケースです。導入前は、「外壁塗装 ◯◯市 相場」などのキーワードで1〜3位をキープしており、月間の自然流入は約5,000セッション前後。ただし、問い合わせフォームの送信は月10件程度でした。
AI Overviewが出るようになってから、アクセスは約3,200セッションまで落ちました(約36%減)。「もうダメかも…」と社長から電話をもらったとき、Analyticsを細かく見ていくと、意外な数字がありました。コールトラッキングを見ると、Web経由の電話件数が月17〜18件に増えていたんです。
何をやったかというと、
というシンプルな修正でした。
最初は社長も「値引き額まで出して大丈夫?」と半信半疑で、僕自身も「また失敗するんじゃないか」と正直身構えていました。それでも3か月後、「最近、電話の内容が具体的になってきた」と現場から言われたとき、数字以上に、現場の声の変化に手応えを感じたのを覚えています。
AIO対策やゼロクリック時代のSEOで、現場で本当によく見る失敗パターンは大きく3つです。
ケースによりますが、僕が最近よく提案している「回避パターン」はこうです。
こうすると、執筆工数はそこまで増やさずに、「AIにとってもユーザーにとっても価値があるコンテンツ」に近づいていきます。
最後に、実際に何から手をつけるかのステップを整理します。机上の空論ではなく、現場で何度も試して数字が動いたパターンだけをまとめます。
例) 「AI Overviewの普及で、検索1位のクリック率は日本でも約38%落ちています(Ahrefs調査)。だからこそ、今後は“アクセス数そのもの”ではなく、“減ったアクセスでどれだけCVを取れるか”が重要です。」
CV導線は、「売り込み」ではなく「状況別の背中押し」として書きます。
実は、この「状況別・背中押しコピー」を入れるだけで、問い合わせボタンのクリック率が1.2〜1.4倍になったケースは珍しくありません。読者の迷いや警戒心をそのまま言語化することで、「自分のことだ」と感じてもらえるからです。
A1. AI Overviewが出るクエリでは、クリック率が平均58%前後落ちるデータがあり、アクセス減は避けにくいです。
A2. 30〜40%減が1年以上続き、CV数も同じ割合で落ちているなら、戦略の抜本見直しが必要なサインです。
A3. アクセスが3割減ってもCVが1〜2割増えているなら「成功」と見なせます。売上基準でプラスなら問題ありません。
A4. ケースによりますが、ブランド名の想起や指名検索が増え、リード単価が10〜30%改善した事例が報告されています。
A5. 分ける必要はありません。ただし、売上に直結する10〜20本は「AI前提の構成」と「CV導線強化」を優先的に行うべきです。
A6. 1記事に1〜3個の「要点+出典」レベルにとどめるのが現実的です。丸写しではなく、要約し自社の解釈を添える形が安心です。
A7. トップ10〜20ページに集中すれば、3〜6か月で「アクセス減少率<CV増加率」の状態を作れた中小企業の例は多数あります。
A8. いいえ。AI OverviewやAIモードの仕様変更が続くため、少なくとも半年〜1年おきのアップデートが必要です。